徒歩で回る三大ピラミッド
三大ピラミッドをざっくり紹介すると、まず場所はエジプトの首都カイロから10キロほど離れたギザにあります。
ピラミッドの面は東西南北を向くように正確に設計されており、斜面の角度は寸分の狂いもないそうです。さらに、「クフ王のピラミッド」は底辺230m、高さ146mと巨大で、古代に作られたとは思えないほど精巧で美しい作りになっています。


石をひとつづつ積み上げているので歪みそうなものですが、遠くから見ると斜面のラインが完璧な直線になっています。
そこら辺のビルよりもよっぽど高いギザのピラミッドですが、建設されたのはなんと4500年前です。ピンと来ないかもしれませんが、人類が鉄器を製造できるようになるのが3500年前、日本で水田稲作が始まったのが3000年前と言われているので、相当古いことは間違いないです。
どうやって建設されたのか、目的は何なのかについても未だに解明されていない点が多く、謎多い建築物としても有名で、本当にロマンがあります!
また、ピラミッドエリアの内部にある大スフィンクスも非常に有名で、ピラミッドとスフィンクスが同時に見られるポイントは常に人で賑わっています。

ピラミッドエリアはどうやって回ったらいいの?
このピラミッドエリアですが、入場料を支払うことで誰でもすぐ近くまで観光することができます。
エリア内はかなり広大なので、ラクダや馬車に乗って観光しようと思っている方も多いですが、後述する通りぼったくりが相当ひどいので、私は徒歩で全て回りました。
ピラミッドエリア入場
ピラミッドエリアの入場口は2つありますが、私はショボいと言われがちなスフィンクス側入場口を利用しました。

人混みの前の小さな建物がチケットオフィス&手荷物検査場なのですが確かに小さく、エジプト基準で考えるとかなり高額なのにクレジットカードの類は使えませんでした。
ちなみに入場料(22年8月時点)は以下の通りです。私はエリア入場料しか購入していませんが、例えばクフ&カフラー王の内部見学もしたい!という場合は240+440+100=780EGP (5460円) かかる計算になります。
・クフ王のピラミッド 内部見学料 440EGP (3080円)
・カフラー王ピラミッド内部見学料100EGP (700円)
ちなみに国際学生証を提示すれば全て半額になるとのことで、私は普通に損をしてしまいました。発行費用は2000円程度だったと思うので、上記を全部見学するだけで元が取れます。学生の方は絶対に作っておきましょう。
スフィンクス
使ったのがスフィンクス側入場口ということで、その名の通り入り口の目の前すぐにスフィンクスがあります。

このスフィンクスといえば

朝には4本足、昼には2本足、夕方には3本足の生き物ってなーんだ?
というなぞなぞを旅人に出して、答えられないと彼に食べられてしまうという伝説が残っています。
頭が人間、体がライオンの怪物という設定なので、ここ以外にもスフィンクス像はいくつもありますが、ギザのピラミッドにあるものが最も大きく有名だそうです。

ちなみに先ほどの答えは「人間」、生まれたばかりの子は4つ足で歩き、老人は杖を突くから3本足という意味だそう。世界最古のなぞなぞにしてなかなかの良問かつ難問でした。

写真では正面からのアングルが有名ですが、こうして横から見てみるとかなりの足長です。
勧誘&ボッタくりとの戦い
スフィンクス周辺を見た後はいよいよピラミッドへ向かいました。

ピラミッドが大きすぎて遠近感が分かりにくいですが、クフ王のピラミッドまではここから歩いて10分以上かかります。そしてこの道でエジプト人のラクダ乗りや馬車のすさまじい勧誘に合いました。

馬車はチケット料金に含まれている!free free! ミルダケタダ!!

ピピーッそっちは工事中!僕が案内してやるよ
このような人の相手をしても後でガイド料として高いチップを要求されるだけなのでもちろん無視を決め込みます。
入口からクフ王のピラミッドにたどり着くだけで、少なくとも10人以上の客引きに話しかけられました。しかもいくら断っても無限に付きまとってきてくるので相当ウザいです。
エジプトは、インド、モロッコと並んで「世界三大ウザい国」と旅人の中でよく話題になる国ですが、間違いなくピラミッドエリアのエジプト人がこの評判を確固たるものにしているようで、エジプト中の観光客を騙す悪人がピラミッドに集結しているといっても過言ではありません。
ピラミッドエリア内にいるエジプト人に限った話をすれば、ウザいどころか全員悪人だと思って行動した方が良いレベルでした。

その中でも特にタチが悪いのがラクダ乗りです。ピラミッドエリアは広大で、雰囲気もマッチしているのでラクダに乗りながら散策するのが人気ですが、値段交渉が必要だと知らずにぼったくられるケースがよくあります。

例えば、「ラクダに乗った写真を撮らないか」と言われて上に載ってみたところ、写真撮影以外にもいろいろな所に連れまわされたのち高いチップ代を請求されることがあります。
すぐに降りればいいじゃん!と思いますが、実はこのラクダ、かなりしつけがされていて一度乗ると飼い主に命令されるまで決して座りません。「話が違う!」となっても時すでに遅し、ラクダの背は高いので自力で降りるのは難しいです。
このラクダ乗り詐欺は私も危うく騙されそうになったので例を挙げて紹介したいと思います。

私がカフラー王のピラミッドの前で歩いていると上の写真の少年がこちらを向いてポーズをしてきたので写真を撮っていると、こちらに近づいてきて「ラクダに乗らないか」と話しかけてきました。私は徒歩で観光する気でいたのでやんわりと断ってもしつこく付いてきます。
埒が明かないので「No Thanks!」と強めに断るとさっきの少年は豹変して「さっきの写真撮影代をよこせ」と怒りながら言い返してきました。もちろん金を支払う必要は無いので、ここで完全に無視をして足早にその場を去ったので被害はありませんでしたが、たとえ子供であっても気を許してはいけないことを思い知りました。
実は騙されそうになったのはまだまだあって、歩いているとき隙をついて後ろから勝手に頭にアラブのスカーフを巻かれたあげく、「お金をよこせ」と言われました。(思い返すとめちゃくちゃ力業で笑ってしまいました)
ピラミッドの目の前へ
ということでやっとの思いでクフ王のピラミッドに到着です。

このピラミッドが最も大きく1辺がなんと230mもあるので1周するだけで10分かかります。

高すぎたので内部はスルーしましたがクフ王のピラミッドの入口がある方角にはちゃんと行きました。
この辺も客引きが多く、自称ガイドにチケットを見せろと言われたあとで「これがスタッフの証明カード、無料で案内するからついてこい」と話しかけられました。
恐らくこれも後でチップを要求されるパターンなのでもちろん無視
嘘か本当かわからないことを言ってだましてくるのでいちいち疲れます。ピラミッドが素晴らしいだけにエリア内の治安の悪さには幻滅しました。

次に行ったのがカフラー王のピラミッドで、わずかながらにクフ王より小さいですが、こちらは頂上付近に「化粧石」が現存しており、最も美しいピラミッドと称されています。

世界遺産に住んでいる犬、ぼったくりが多い中の数少ない癒し要素でした。

カフラー王のピラミッドの周囲は観光客をのせるラクダの待機所になっていました。
こう見ると確かに乗りたい気持ちはわきますが、その足元をガッツリ見ている超強気のエジプト人と値段交渉をするのが億劫なのでブレずに歩きを突き通しました。

次に紹介するのがメンカウラー王のピラミッドです。クフ王、カフラー王と比較すると高さ61mとやや小さめです。
ちなみに穴が開いているのは後世の王が破壊しようとして諦めた名残ではないかと伝えられています。
入口から遠い所にあるのでここまで来ると観光客やウザい客引きも減り、ようやく落ち着いて観光ができます。
ビューポイント
最後に、3大ピラミッド&王妃のピラミッドを合わせた9つのピラミッドを一望できるビューポイントに行きました。

こちらはメンカウラー王ピラミッドからさらに歩いて10分ほどの場所にあり、こここそ馬車やラクダに乗って行く場所ですが、筆者は低予算バックパッカーなので当然ここも徒歩で向かいます。

観光ポスターで見たことがある景色が目の前に!
子供のころから本やテレビで見てからずっとあこがれ続けてきただけあって本当に感動しました。
ピラミッドの回り方
最後に、ピラミッドエリアの回り方を紹介したいと思います。
何度も書いた通り、ラクダ乗りのぼったくりが酷いのと、単純に予算を抑えたいことが理由で、筆者はピラミッドエリアを全て徒歩で回りました。
ただ、ピラミッドエリア内はかなり広大で、実際この日は2万歩以上も歩いているので歩きなれていないとかなりハードだと思います。さらにピラミッドは砂漠の中にあるので、日差しが強く日光を遮るものが何もないので暑さも加わります。

徒歩は嫌だ、でも騙されるのも嫌だ!
ピラミッドエリアの回り方はかなり悩ましいですが、自分で前もって念入りに交渉するorツアーを介して行くのであれば大丈夫だと思います。
特にツアーは事前に値段が決まってはいるものの、ツアーガイドの存在がぼったくりエジプト人の盾になってくれるので流石に手は出せないそうです。自分で交渉する際の相場はエリア内一周で10ドルほどだそうですが、「サービス料を別でよこせ」、「写真撮影料のチップをよこせ」など後出しジャンケンされることが数多いので旅慣れている人向けだと思いました。
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