ダハシュール&サッカラのピラミッドとは
ピラミッドといえばやはりギザにある3大ピラミッドが有名ですが、同じくカイロ郊外に位置するサッカラ&ダハシュールには個性的なピラミッドが揃っています。



ギザのピラミッドと比較すると現地までのアクセス方法がかなり限られており、ツアーを介するか、カイロからタクシーでアクセスするのが一般的ですが、私はカイロ地下鉄とタクシーを乗り継いでいきました。
ピラミッドの歴史
サッカラとダハシュールのピラミッドの歴史を簡単に解説したいと思います。
サッカラとダハシュールにあるピラミッドは、三大ピラミッドが建造される少し前に作られたもので、その中で最も古いのがサッカラのピラミッドです。


サッカラのピラミッドは「史上最古のピラミッドと呼ばれています。
これ以前の王の墓はレンガ造りで平たい形をしており、山型のピラミッドが作られたのはこれが初めてです。このピラミッドを参考に後世のものが作られたそうで、ピラミッドのα版といった所でしょうか。


このジュセル王時代から数十年後、クフ王の父に当たるスネフェル王がダハシュールに屈折ピラミッドと赤いピラミッドを作り上げました。
屈折ピラミッドが途中で曲がっている理由は、もともとそのデザインだった説、工期を短縮したかった説、崩落の危険を恐れた説など様々ですが詳しいことは未だに解明されていません。
赤いピラミッドはこの屈折ピラミッドを教訓に作られたと言われており、崩れにくくするためか傾斜を緩めて作られています。このピラミッドは四角錐の形をした史上初の「真正ピラミッド」として知られています。


そして今までのピラミッドの集大成としてギザにピラミッドが作られました。写真を比べてみると角度が異なることがよくわかると思います。
ちなみに、クフ王、カフラー王、メンカウラー王の三大ピラミッドが作られた後は、なぜか建造技術や完成度が衰退し、これ以降王族の墓は「王家の谷」のように人目のつかない場所に埋葬されるようになったそうです。
サッカラとダハシュールにあるピラミッドは、知名度こそ低いものの、ピラミッドの歴史を知るうえで超重要な遺跡であり、規模も赤いピラミッド、屈折ピラミッドが高さ105mほどとギザと比べても見劣りしないので、時間に余裕がある方はぜひ足を延ばして訪れたい場所だと思います。
赤のピラミッド
このサッカラ&ダハシュールのピラミッドへのアクセス方法はいくつかありますが、私はカイロ地下鉄のWadi Hof駅まで行った後にタクシーに乗って現地まで行きました。
そして、Wadi hofやサッカラ、ダハシュールの入場ゲート付近は2022年8月現在Uberのサービス圏内になっています。
私が使っていた会社「Orenge」だけの話かもしれませんが、ダハシュールのピラミッドエリアは電波がほとんど通じませんでした。さらに敷地も相当広く、入場ゲートからピラミッドまではさらに4キロほど離れているので、ダハシュールの方に向かう際は、ドライバーの方と交渉するのが一番いいと思います。幸いWadi Hof駅は大通りに面しており、流しのタクシーが沢山来るので問題はありません。
ちなみに私は、Wadi Hof駅→ダハシュールのピラミッド→サッカラのピラミッド→Wadi Hof駅の順番で巡りました。

途中の写真は撮り忘れましたが、駅から入場ゲートまでは30分ほどで料金は80EGPです。
この料金はピラミッド内部の入場料込みとなっており、比較までにクフ王のピラミッド+エリア入場券は合計で680EGPなのでコスパは最高です!
ちなみに写真奥に見えるのが屈折ピラミッドです。「赤いピラミッドでタクシーを降車して歩いて往復した」というブログを見かけましたが、距離は2キロほど離れており、道中は灼熱で何もない砂漠(しかも時期は8月)だったので、私はタクシーと交渉してこの間も送迎してもらいました。

内部への入口はこんな感じです。


上からの眺めもとても良いです。写真では分かりにくいですが、後ほど紹介する階段ピラミッドを始めとした墳墓群がここからいくつも見えました。

係員の人にチケットを見せた後ピラミッドの中に入ります。
観光客が時として何千人も押し寄せるギザのピラミッドとは違い、この時は私を含めて3人しかいなかったのでのんびり楽しめました。なによりギザで見たボッタくり、ラクダ乗りの勧誘、偽物のガイドが一人もいないのがとても嬉しかったです。(これは本当にでかい)

死ぬほど暑い&狭い通路を3分程進むと玄室にたどり着きます。
内部構造はこれだけといえばこれだけですが、値段も安いので行って損は無いと思います。
屈折ピラミッド
赤のピラミッドから屈折ピラミッドは2キロ離れていますが、車で行けば一瞬です。

駐車場からみた屈折ピラミッドです。うれしいことにこちらにもラクダや馬車の勧誘をしてくるウザいエジプト人は一人もいません。その代わりトイレ&小さな建物しか周りにないのでその点は注意しましょう。

運が悪いとバスツアーの団体客と鉢合わせになることがありますが、この日は本当に人が少なかったです。

屈折ピラミッドは、「化粧石」と呼ばれる石が数多く残っている珍しいピラミッドです。
ピラミッドの表面は本来この写真のように平らな石で覆われていましたが、ギザを始めとした多くのピラミッドは崩壊や盗難によってこの化粧石がほとんど残っていないことが多いです。

遠くには「黒いピラミッド」と呼ばれる遺跡も見られます。ダハシュールではピラミッドが複数発見されていますが、保存状態が良いものは赤いピラミッドと屈折ピラミッドの2基です。
サッカラのピラミッド
ダハシュール~サッカラまではタクシーで20分ほどで行くことができました。
入場料は200EGPで、ダハシュールの80EGPと比べると謎に高いです。

こっちのピラミッドはダハシュールよりも人が多く、そのせいもあってか歩き回っていたら自称ガイドの怪しい人に話しかけられました (ギザのピラミッドの洗礼を受けた私にはこんなものは相手にもしません笑)

近づいてみると、一つ一つの石がかなり小さいことが分かります。これ以前の王の墓は日干しレンガで作られていたそうで、その名残なのでしょうか。

ちなみに帰りはサッカラの入場ゲートからUberを使ってWadi Hof駅まで戻りました。
この時は運よく駐車場にUber対応車がいたので30秒で捕まえることができましたが、サービス範囲ぎりぎりにあるので場合によっては時間がかかるかもしれません。
合計金額
ダハシュールとサッカラのピラミッドの観光にかかった合計金額は580EGP (4060円) でした。
(1EGP=7円換算)
・タクシー代 270EGP (1890円)
・ダハシュールのピラミッド入場料 80EGP (560円)
・サッカラのピラミッド入場料 200EGP (1400円)
ちなみにタクシー代ですが、Wadi Hof駅~ダハシュールのピラミッドエリア周遊~サッカラのピラミッドまでを交渉して、観光中の待機時間も込めて200EGPになりました。
ちなみに残りの70EGPはサッカラのピラミッド~Wadi Hof駅です。
カイロからタクシーで直接行くことも勿論可能ですが、市内は交通渋滞が酷く意外に時間がかかってしまう&地下鉄がかなり安いとの理由でこのルートを採用しました。
ちなみに入場料別で15ドルほどで同様のサッカラ&ダハシュールを回る半日ツアーが出ており、実は値段はそこまで変わりません。ただ、自分のタイミングで行けるのと、ピラミッドをほとんど一人占めにできるメリットが大きかったです。
ちなみにローカルバスを乗り継いでいく方法も一応あるみたいですが、かなり情報が少なく難易度は高いと思います。
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