中級者向け 妙義山大の字登山ルート解説

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妙義山大の字登山ルート

おはようございます。

今回は、群馬県の名山・妙義山の大の字登山ルートについて説明したいと思います。

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大の字からみた妙義山

妙義山は、知名度が比較的低く登山者も少ないですが、日帰り登山で行ける場所とは思えないほど景色が素晴らしいです。

 こんな人におすすめ
・日帰りで高度感のある山に登りたい人
・鎖場のスキルアップを図りたい人
・スリルを楽しみたい人

登山スキルをより上げたい方や、近場で見晴らしの良い山に登りたい方にとって超おすすめの穴場の山ですので最後までぜひご覧ください。

妙義山の基礎情報

妙義山とは、群馬県下仁田市にある山々の総称で、金洞山、白雲山などの表妙義、谷急山、丁須の頭のある裏妙義に分かれています。標高は最高で1104mとそれほど高くはありませんが、高度感がとてもあり、関東平野や榛名山、浅間山を一望できるため景色は爽快です。

妙義山~大の字コースは、ある程度登山に慣れている方であれば問題ないです。実際大の字をゴールにした子供連れの登山者もよく見かけます。

また、雪が積もりにくいエリアにあるため、「雪山装備持ってない…だけど登山はしたい‼」という方でもほぼオールシーズン雪山装備なしで登頂できます。

今回紹介する大の字コースは中級者向けですが、その先のルート (山頂縦走コース) は日本屈指の高難度コースとして知られているので下調べを入念に行いましょう。
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遠くから見た大の字 

そして今回紹介する大の字ルートは、白雲山の中ほどにある「大」の文字をかたどった板を目指す往復2~3時間ほどの登山コースです。

妙義神社

大の字ルートを始め、妙義山(白雲山)の玄関口となる場所は、標高450mの山麓にある妙義神社です。

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妙義神社の入口の鳥居

妙義神社へのアクセスは、「道の駅みょうぎ」から徒歩5分、JR信越本線松井田駅から徒歩45分の場所にあります。入口は正面の大鳥居で、ここから登山口まではおよそ10分です。

私はここまで電車&徒歩で来ましたが、かなり歩くうえ電車の本数が1時間に1~2本ほどと少ないので車で行った方が良かったなと少し後悔しました。

車の場合は上信越自動車道の松井田妙義ICから5分でアクセスでき、駐車場も神社から歩いて5分ほどの場所にあるので圧倒的にマイカーで来るのがおすすめです。
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登山する前から疲れさせてくる妙義神社の急な山道

妙義山は急登が多い山ですが、神社の参道の時点でもうすでに険しいです。これ以上の角度の山道をこの先ひたすら登ることになりますが、一応写真右側に伸びる道が迂回路になっていて傾斜が緩やかです。

登山道へ

妙義神社の脇にある登山道の入口には、妙義山の登山ルートを記した簡単なマップと、登山届が入ったボックスが設置されています。ここで、氏名や生年月日、登山ルートや入下山日時の予定を簡単に記入しました。

f:id:KumanomiFun:20211101221951j:plainそしてここから先は本格的な山道です。神社を出発してすぐ急斜面の登山ルートになりました。

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登山道の入口

登山開始5分後、YAMAPに掲載されている地図とGPSの現在地を見ると、ルートを思いっきり外れていて焦りました。

どうやら最近ルート変更があったそうで、以前までの道をよく見ると立ち入り禁止のテープが張ってありました。ちなみにこの後5分ほどで以前の道に合流できます。2021年10月現在ですがこの登山道変更の情報の詳細が地図に反映されていないので注意しましょう。

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初めの方に出てくる鎖場

道中はかなり大きな岩が転がっており傾斜もきつく歩きにくいです。この場所は鎖が無くても大丈夫ですが、同じような鎖場が何か所もあるので注意しましょう。妙義山は見た目からして崖が多いのでどのルートを通っても鎖場は多い印象を受けました。

大の字巡りの鎖場は足の踏み場になるように岩がカットされていたのでさほど難易度は高くありませんが、それでも落ちれば間違いなく大けがをするので慎重に通過しました。

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この日のルートで最も長い鎖場、ここを登り切れば大の字の取りつき

30メートルほどの長い鎖が見えればもう間もなく山頂です。手前は傾斜が緩やかですが、進むにつれてだんだん傾斜がきつくなり、上は50度ほどになっています。

岩はつるつるしているので足の置き場としてカットされている部分以外はとても滑りやすいです。また雨の日やその直後は濡れていて難易度が格段に上がるそうです。

私が行った日は晴れが数日間続いていましたが、水はけが悪い場所や沢になっているような場所の近くの岩はまだ湿っていたので天気が良くても油断は禁物でした。

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最も急な大の字直下の鎖場

長い鎖場を登りきると、またすぐに5メートルの鎖場が現れ、ここを登り切った先がゴールです。

大の字

傾斜角はほぼ垂直で見た目はこのラストの鎖場が断トツで怖いですが、しっかりと確認しながら行けばそこまで危険ではありません。

ここも登りやすいように岩が削られているので、慎重に足の置き場を確認しながら上り下りすれば大丈夫です。

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関東平野を一望

妙義神社の大鳥居からおよそ1時間ほどで到着しました。標高は734mで、累積標高もおよそ330mとそこまで高くはありませんが、関東平野を一望できる絶景が広がっています。

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紅葉が進む妙義山、山頂付近はちょうど見ごろ

麓は青葉の木が大半でしたが、標高が上がるにつれて紅葉が進んでいました。

「モミジに生える妙義山」と歌われるほど、妙義山は紅葉の名所として有名です!

ちなみに登山日(10月29日)の時点で、群馬県の紅葉情報によると妙義山は「色づき始め」と書いてありましたが、山頂付近ではすでに見ごろを迎えていました。

めちゃくちゃ眺めがいいですが、柵などは一切なく、周囲は断崖絶壁になっているので気をつけましょう。また何時間でもいられるような絶景ですが、上はそこまで広くなく、10人ほどで満員になってしまうのでタイミングが悪いと長居できないです。

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下りはより高度感があって怖い

登りより下りのほうが足元が見えにくく難易度が高まるので、一歩一歩落ち着いて降りましょう。

第一見晴&辻分岐を経由するルート

行きは妙義神社から大の字までの最短ルートの登山道を使いましたが、帰りは第一見晴&辻分岐を経由するルートで下山しました。コース難易度は登りの道とさほど変わりませんが、遠回りで時間がかかるルートになるので注意しましょう。

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木々の隙間から先ほど立っていた大の字が見えます

さっきまでいた大の字が見えました。ここから見ると断崖絶壁の岩の上に大の字がある事が分かります。

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上級ルートとの分岐点

20分ほど歩くと辻分岐に入ります。ここから上は最上級の難易度である白雲山縦走コースです。一応入ってしばらくは変わりのない登山道が続きますが、「奥の院」の先に30m続く核心部の鎖場があるので熟練者以外はこれより先には行かないようにしましょう。

ここから先の山頂までは難易度が格段に上がって、死亡事故も多発しているエリアです。
ちなみに筆者は行ったことがありますが、1ミスで死ぬようなポイントが何か所もあるので気軽に行かないようにしましょう。

なお入口の岩に大きく「キケン」と書かれているので迷い込む心配は無いです。もし間違っても縦走コースは山頂までずっと上り坂なので気づくはずです。

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下りも何か所かに鎖場があります

上り坂辻分岐を下にすすむルートですが、こちらも2か所ほど鎖場がありました。こちらも足の踏み場はたくさんあるので慎重に通過すれば問題ありません。

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このルートは景色が見られるポイントが何か所かあります

行きのルートはほぼ森林の中を通るため景色に変化がないですが、こちらのルートは度々景色の良いポイントがあります。

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何の痕跡もなかった二本杉茶屋跡

二本松茶屋跡の看板が見えればもうすぐ第一見晴です。昔茶屋があったらしいですが、その痕跡は見当たりませんでした。

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第一見晴から見る険しい金洞山

第一見晴に到着です。見晴とある通り展望スポットで、鷹戻しの難所がある事で有名な金洞山が良く見えます。

ここからさらに下った第一見晴~妙義神社までは傾斜は先ほどよりも緩やかになり、危険個所も特にありませんでした。

まとめ

難易度の高いコースの多い妙義山ですが、その中でも大の字登山ルートは中級クラスと言えそうです。とはいっても群馬県山のグレーディングによると、技術的難易度はA~E5段階中のCなので完全な初心者は避けた方がよさそうです。

特に「むき出しの崖を体一つで上る」経験は登山以外では得られないため、不慣れな方が妙義山エリアに入ると、高さへの恐怖心から冷静な判断ができずにミスをすることが多くなるので、ある程度別の山での経験が必要だと個人的に思いました。

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鎖場は片道で3か所ほどあり、それ以外の登山道でも危険個所が多いので基本的な登山道具はもちろん、ヘルメットも忘れずに持っていきましょう。

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