【冬山入門】関東随一の霧氷が見られる赤城山登山

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厳寒期の赤城山登山 (小沼・地蔵岳方面)

今回は、関東随一の霧氷が見られると噂の厳寒期の赤城山行ってきました。f:id:KumanomiFun:20220210123218j:plain

赤城山とは

赤城山は、前橋市、桐生市、沼田市、渋川市、利根川昭和村の6つの市町村に跨る群馬県の山です。妙義山、榛名山とともに上毛3山と呼ばれ、地元の人に親しまれていると同時に、深田久弥の日本百名山に選定されているなど登山家からの人気も高いです。

山あるあるですが「赤城山」と名のついた山頂は存在せず、1828mの黒檜山を最高峰とした複数の山々の総称を赤城山と呼んでいます。登山道は主要の山であればかなり整備されているため、無雪期は子供でも簡単に登れるほど難易度は低いです。

夏山シーズン中に行くと校外学習中の小学生によく出会います!

赤城山の標高1300m地点に大沼と呼ばれるカルデラ湖があり、この付近に一年中使えるトイレやビジターセンター、ワカサギ釣りの店、スキー場があります。冬山登山客も車でここまで来てから出発する人が多いと思います。

・大沼周辺までは4号線から通年マイカーでアクセス可 
・前橋駅前から赤城公園ビジターセンターまでの直通バスあり (夏冬でダイヤが異なる)
・冬季でも一部トイレが利用可能
・大沼周辺の一部店舗は冬季でも営業

赤城山は雪山登山のほか、スキーやワカサギ釣りの人気スポットであるため、厳寒期でも観光客が多いです。筆者が行ったのは土曜日ですが、トイレや寒さの防げるビジターセンター内は人混みができていました。ワカサギ釣りのテントはざっと数えても100張り以上でスキー客も多く、バス利用者も多かったです。

せっかく山に来たのに人混み…とならなくもないですが、初めての雪山登山で周辺施設が整っていて登山道ですれ違う人が多いのはかなりの安心材料だと思います。特に他の山は冬季において水道管が凍結するためトイレが使えない場所が多いので、赤城山内で複数個所使えるのは本特にポイントが高いです。

雪山シーズン

赤城山は、平年だと12月~3月頃が積雪期、4月が残雪期になります。

そしてこの冬季の赤城山は、関東随一の霧氷が見られる絶景スポットとして人気です。

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赤城山の霧氷のようす

「霧氷」とは、空気中の水蒸気が物体に付着して結晶化する現象のことで、特に木に付着したものは樹氷と呼ばれて大変美しいです。

この霧氷はマイナス5度以下で穏やかな風が吹いた際に発達するため、美しい霧氷が見られる条件はシビアです。しかし赤城山は以上の条件が整いやすいうえ、登山客が多いことで情報があふれているので、現在の霧氷の状況を簡単に確認することができます。

直近の登山客による情報提供が多いことも冬山入門の山としておすすめする理由の一つです。

この美しい霧氷が見られる厳寒期の赤城山は、難所が少なく雪山入門者向けと書かれてありますが、もちろんアイゼン、トレッキングポールやピッケル等の雪山装備は必須です。筆者は急登の少ないルートを歩いたため軽アイゼン&トレッキングポールで問題ありませんでしたが、最高峰の黒檜山を登るルートは傾斜がきついので重アイゼン&ピッケル推奨です。

登山口~小地蔵岳

厳寒期の赤城山登山にあたって、まずは前橋駅8:45分発のバスに乗り、終点の赤城山ビジターセンターには定刻の9:58分通り到着しました。ビジターセンターには冬季にも開いている無料のトイレがあるので少し立ち寄ってから出発しました。

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鳥居峠駐車場付近

ビジターセンターから鳥居峠駐車場まで舗装道路を15分ほど歩き、登山道手前でアイゼンを装着しました。

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赤城山の小地蔵岳へ向かう登山道

登山道はなだらかで危険個所はありませんでした。始発のバスに乗りましたが、既にトレースが何本も出来ていたので迷わずに行けました。

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登山道からあるいて10分程、霧氷が増えてきます。

樹氷が見えてきました。

ちなみに積雪は場所によると50センチ以上はありそうですが、新雪は少なかったのでトレース跡をたどれば足が埋まるようなことはありませんでした。

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一面の銀世界

ちょくちょく立ち止まって写真を撮っていなのでなかなか先に進めません。雪山あるあるですが、スマホ写真を撮るために手袋を脱ぐのが面倒くさいです。デジカメを持っていればと少し後悔です。

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小地蔵岳の山頂付近

麓から45分ほどで頂上に着きました。

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山頂の標識

小地蔵山の山頂はこんな感じでした。木が多く夏場だと視界悪いだけの微妙なピークという扱いになってそうですが、冬場に来ると樹氷に囲まれた幻想的な世界が広がっています。

小地蔵岳~長七郎岳

小地蔵岳~長七郎岳は、所要時間20分程度で簡単に縦走できます。

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この縦走路は本来であれば片側が開けており展望のいいコースなのですが、この日はガスが濃かったうえに雪がずっと降っていたので全く見られませんでした。

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コースタイム通り小地蔵岳から20分ほどで到着しました。

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長七郎岳は小地蔵岳とは異なり山頂が開けていました。スペースも広いので休憩するのであればこちらの方がよさそうです。

長七郎岳~小沼

長七郎岳から少し下ると緩やかで開けた場所があります。看板には「賽の河原」と書かれていました。かなり怖いネーミングです。

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小沼までの登山道は下りで、道にそれほど変わりはないので割愛させていただきます。

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小沼まで下りてきました。この小沼は数万年前の噴火口で、今回登った小地蔵岳、長七郎岳、地蔵岳はこの沼を取り囲むような形でそびえています。
沼は綺麗な円形をしており、夏場は縁を1周するトレッキングルートがありますが、厳寒期は全体が完全に凍るので沼の上を通りショートカットしました。

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これまでの登山道はずっと樹林帯を通っていたのでほぼ無風でしたが、小沼に降りたとたん天気予報通り風速約10mの風が吹きつけてきました。この日の気温は-10℃だったので体感温度はー20度、ネックウォーマーが凍りました(笑)

晴れていれば気持ちの良い小沼縦断ですが、この日はただただ寒いだけでした。ワカサギ釣りの人も賑わっていた大沼とは異なり1人もおらず、あきらめてちょうど撤退していく人とすれ違いました。小沼の上を歩くルートは風が強い日は避けた方がよさそうです。

小沼~地蔵岳

最後に、帰りのバスまで時間にかなり余裕があったのでこの日に上った山の中で最高峰の地蔵岳 (1673m) に行きました。

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この地蔵岳はかなり整備が整っているので、簡単といわれる赤城山でも特に上りやすく、無雪期であれば特別な登山の装備が無くても気軽にハイキングを楽しめる山です。

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斜面はやや急ですが、凍った階段の上を進むだけなので難しくはありませんでした。ただ階段を踏み外すと落とし穴のようになっているので注意して進みました。

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振り返ると今まで通ってきた小地蔵岳、長七郎岳、小沼が見えました。ちなみに赤矢印が今まで通ってきた大体のルートです。

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地蔵岳には何本も電波塔が立っており、その付近がゴールの山頂です。
寒すぎてクリスマスツリーのような木がカチンコチンに凍っていました。

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到着しました。
残念ながらこの日は終日ガスっていましたが、晴れていればご覧のような絶景が見られます。

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PhotoACより真冬の晴れた日の赤城山

                     
ちなみに帰りは地蔵岳を登って来た道をそのまま引き返し、小沼の手前にある分岐点から赤城山ビジターセンターに戻りました。

帰りのバスが1時40分にありますが、20分程余裕をもって下山できました。合計タイムは3時間20分、そのうち休憩時間が15分ほどでした。夏場の標準タイムが約3時間なので、無雪期とほぼ変わらない時間で行くことができました。

ただこの日はコンディションが良く結果的に短く済んだので、計画を立てる際は時間を長めに見積もりましょう。

アクセス

前橋駅~赤城山の大沼までは直通のバスが通年発着しています。

赤城山へのバスは夏季と冬季でバスの本数が異なり、冬季は1日3往復発着しています(2022年2月現在) 。逃すとかなり面倒なのでバスの時間に合わせて登山計画を組む必要があると思います。

また、マイカーでもアクセス可能です。ただ、道にも雪は多いのでチェーンなどの装備は必須です。さらに冬季になると閉鎖する道路や駐車場が一部あるので注意が必要です。

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