【異文化体験】エジプト・ヨルダン・イスラエル旅行で出会った中東料理の特徴を解説

海外旅行

中東料理

おはようございます。

今回も2022年夏の中東旅行について書いていきたいと思います。

そして本記事のテーマはズバリ食事です。

【中東 食事】と検索すると、人によって評価が分かれているため、現地の食事に関して気にしている人も多いかと思います。実際に日本と中東では様々な理由から食文化が大きく異なるため、人によっては口に合わないような料理も多くありました。

そこで今回は中東料理の特徴と、主観的ではありますが食べた際の感想を書いていきたいと思います。

中東料理の特徴

中東料理は以下の3つの要因による影響を大きく受けています。

・イスラム教
・砂漠気候に合わせた食材
・多種多様なスパイス
スパイスに関しては近年日本でもブームになっているのである程度身近になってきてはいるものの、イスラム教や砂漠気候は日本にいると意識することすら少なく、「中東料理」と聞いてもイメージがわきにくいと思います。

イスラム教の影響

まず日本と中東では食文化にかなりの違いがあります。

そもそも中東に属する国のほとんどがイスラム教圏であり、酒と豚肉を食べることが禁止なので当たり前ですがこれらにまつわる食文化がありません。一部では外国人やイスラム教以外の人向けにアルコールを提供しているような店もありますが、少数派なためかひっそりと営業していることも多いです。

特に酒は飲用だけでなく、調味料としての酒や、味噌や醤油などのように発酵の過程で生じるものであってもアルコールが含まれている時点で全面禁止とされる場合が多いです。

次に豚肉についても、「不浄の生き物」とクルアーンに記載されているので、中東料理に豚肉を使用した料理はありません。トルコのようにイスラム教でありながら飲酒に対しては寛容な場所はありますが豚に関しては嫌悪感や汚らわしい印象を持っているのでイスラム圏ではどこでも食べられていないのが実情です。日本人が虫やカエルを「何となく気持ち悪いから」食べないのと似ているのでしょうか。

宗教的に禁じられた豚肉に代わってよく食べられるのが羊肉です。ヨルダンやエジプトでは町中に羊の解体業者があり、屠殺されて逆さづりにされた羊をよく見かけました。

ヨルダンのスーク (市場) にて売られていた羊肉

肉屋に行くと、羊の爪や内臓、顔、脳みそまであらゆる部位の量り売りが行われていました。日本人的には抵抗のある所も多いですが、よく売られているということは向こうでは日常的に食べられているということでしょうか。これらの部位を使ったメニューはレストランでたびたび目にしたので気になる方はチャレンジしてもいいと思います。

砂漠気候に合った食文化

中東は砂漠に位置しているため、料理に主に使用される食材はかなり独特です。

例えば肉に関しては、先ほども述べた通り豚肉は使用が禁じられているのに加え、砂漠で飼育が難しいことから牛肉もあまり流通していないので、鶏肉or羊肉が一般的で、ラクダ肉もしばしば見かけました。ちなみにラクダの味は、濃くクセがややある牛肉といった感じで、やや好き嫌いが分かれそうな味でした。

数少ないヨルダン料理であるマンサフ

また、砂漠の遊牧民の料理にはこのような家畜の乳を使用したものが多いです。ただ日本とは異なり、羊やラクダの乳製品が主流です。遊牧民にとっては貴重な栄養源として重宝されてきましたが、クセがかなり強いので現地の人に失礼ですがチャレンジ精神がいるジャンルの料理だと思います。

砂漠では動物は大変貴重で採れるたんぱく質が不足しがちなためか、豆料理も多い印象で、豆のスープ、ソラ豆やひよこ豆を揚げたファラフェル、ひよこ豆をペーストしたフムスなどが代表例として存在します。

ちなみにフムスとファラフェルは両方とも中東を代表する料理で、ヘルシーなことから近年注目を浴びているそうです。ちなみにファラフェルは単体で食べるというより「ピタパン」と呼ばれる真ん中が空洞のパン (フムスの隣に写っている円形のパン) に野菜と一緒に挟んで食べることも多いです。

中東料理においてよく使われる野菜は、ナス、トマト、キュウリなど基本的に夏野菜ばかりでした。個人的にキュウリがとても苦手なのですが、サラダやサンドウィッチを頼むと高確率で入っているのがかなりキツかったです。

果物もブドウ、オレンジ、ザクロ、サボテンの実など明らかに乾燥に強い所で育てやすい種類が圧倒的に多数でした。市場で直接買って食べるのはもちろん、スムージー屋に行って搾りたての果汁100%ジュースを飲むのも楽しみのうちの1つです。

ロールキャベツの原型と言われている中東料理ドルマ

ちなみに、中東には「ロールキャベツ」の原型になったと言われているドルマという料理があります。米や玉ねぎ、ひき肉と香辛料を混ぜたものを、乾燥地帯でよく栽培されるブドウの葉で巻いて煮詰めた料理です。このように中東料理が元になっている有名な料理は意外と多いです。

多様なスパイス

なんとなく中東と聞くとスパイシーな料理のイメージがある人も多いと思いますが、実際に中東では日本とは比べ物にならないほど多種多様なスパイスが使用されています。

その証拠に、アラブ圏の街を歩いていれば、どこでもスパイスマーケットを目にすることができ、多ければ100種類以上のスパイスの量り売りが行われています。

これらのスパイスはもちろん料理の中にもよく入っており、特にクミンとカルダモンが最も使われている印象でした。それぞれ軽く解説すると、クミンはエジプト原産のスパイスであり、カレーのあの香りがする特徴的なスパイスです。

クミンの使われ方は、例えばエジプトを代表する国民食のコシャリのトマトソースの中に使われていたり、一見するとアラビアータに見えるパスタにクミンがかかっていて中東風にアレンジされていたりと様々です。

他にもケバブやシャワルマ、ソーセージ、ケーキやアラビア菓子にも非常によく使われているメジャーなスパイスです。あまりにも高頻度で使われているので、どの料理を頼んでもカレー風味がして嫌気がさすことも正直ありました。中には大量のスパイスに胃をやられて体調を崩す人もいるので注意しましょう。

次にカルダモンは、ショウガとレモンを合わせたような独特で爽やかな香りを持つスパイスで、こちらも中東料理によく使われています。

左の写真のマクルーバ (アラビアの炊き込みご飯) のような料理の味付けに使われるほか、トルコ周辺やアラブ圏では豆と一緒にカルダモンを混ぜるユニークなコーヒー文化があります。

左の写真にある器を砂で蒸してコーヒーを入れる動画がI〇stagramでよくバズっていますが、このコーヒーの中にカルダモンがよく入っていることはあまり知られていません。このように中東のコーヒーは日本とは全く違う淹れ方をしているのでおすすめです。

他にも様々なスパイスが使用されていますが相当長くなってしまうのでここでは割愛します。

【+α】ユダヤ教の料理

ここではイスラム圏の中東料理を紹介しましたが、ユダヤ教が多数派を占めるイスラエルでは料理も大きく異なります。ユダヤ教の戒律では豚肉とアルコールに加え、ラクダ、ウサギ、ダチョウなどの動物エビ、カニ、イカ、タコ、ウナギなどウロコorヒレの無い魚介類、昆虫類などが食べられません。

さらに旧約聖書内で「子ヤギを母の乳で煮てはならない」と記載されていることから、肉と乳製品を同時に食べることが禁止されており、1回の食事でこれらが同時に出されることはありません。

全てのユダヤ教徒がこの規定を厳格に守っているわけではありませんが、国全体の食文化に大きな影響を与えているのは事実で、イスラエルの中でもユダヤ人が多い地域のスーパーに行くと、「食材が少ない?!」とショックを受けますがこうした背景があるのが原因です。

ちなみにイスラエルにはアラブ系の住民も多いので上で紹介したような中東料理はどこでも売っています。

もし食文化が合わなかったら

いままで、中東料理の特徴について解説してきましたが、同じく中東旅行に行った人の中には「食事が全く合わなかった」、「美味しくないものが多かった」という声も多いです。特に、中東において高頻度で食べられる羊肉、豆類、夏野菜 (キュウリ、ナス、トマトなど) の中に苦手な食材が入っているとかなりつらいと思います。

私も3週間ずっと中東料理を食べる生活を送ったうえで正直な感想を言うと、「もちろん美味しいけど別ジャンルの料理が恋しい!できれば日本食!」といった感じで、味付けや食材については実際に少し飽きが来ていました。

料理が合わないかも…といった理由で中東旅行をためらっている方もいるかと思いますが、逃げ道はいくつか存在します。UAEやカタールなどでは、中国やインド方面からの移民が非常に多いので、中華料理やインド料理が普通にあります。日本食レストランも高級ですがあるので、金額を考えなければ食事には困らないと思います。またどの国であっても大都市であればマクドナルド等の外資系レストランがほぼ確実にあるので大丈夫です。ただし物価が安い国であっても、外資系の店は日本と同じか、むしろ高いくらいなので予算には気をつけましょう。

ただイスラム教徒が大多数を占めている地方以下の都市では、これらの逃げ道が乏しい場合がよくあります。このような場所に行く際は日本からインスタント系の食品を持ち込むのが一番いいと思います。特に醤油や味噌味が間違いなく恋しくなるので持ち込むならこの味付けがされたものが良いです。注意点として、イスラム教国の中でも一部の国は豚製品やアルコールの持ち込み自体が禁止されており、最悪逮捕される可能性もあるので下調べは必ず行ってから規定を守って持ち込むようにしましょう。

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