【過酷】所要時間丸一日のイラン〜アルメニア間陸路国境越え

アジア

タブリーズ〜エレバン陸路国境

今回は、イランのタブリーズからアルメニアのエレバンまでの直通バスについて、経験談を踏まえながら解説していきたいと思います。

この国境越えですが、控えめにいって相当ハードでした。本情報は2023年6月時点のものですが、以前と比べて所要時間が大幅に伸びていました。

予約

タブリーズ〜エレバンのバス路線ですが、1日2本と少ない割に人気路線になっています。

そのため直前で予約するのは危険と判断し、タブリーズに行く3日前にテヘランの旅行代理店でチケットの手配を行いました。

実際に私が予約した時点で、チケットの残り枚数がラス1でした。

その前日、前々日のバスは全て売り切れだったそうなので、この路線に関してはできる限り前もって予約すべきだと思いました。

この旅行代理店ですが、対応がとても良かったのでおすすめしたいと思います。

手数料が約500円ほどかかりましたが、ある程度英語を話せるスタッフがいたのと、Gmailでの対応可というのがありがたかったです。

チケット詳細
  • 料金 28.8ドル
  • 出発&到着時間 タブリーズ19:00発 エレバン9:30着
  • 所要時間 14時間

チケットに書かれていた情報は上記の通りだったのですが、結論から話すと、バスがエレバンに到着したのは18時を過ぎた頃でした。

イランとアルメニアの時差は30分で、アルメニアの方が早く進んでいます

結果的には9時間遅延の所要時間が23時間でした。

今までの旅行経験の中で、インドのコルカタ〜ガヤの遅延時間6時間を大幅に塗り替える新記録を見事に樹立してしまいました。

タブリーズバスターミナル

エレバン行きのバスターミナルはこちらです。

イランの長距離バスターミナルは基本的に中心地から少し離れた変な場所にあります。

タブリーズの場合は公共交通機関がペルシャ語オンリーのよくわからないローカルバスしかないのでタクシーを使うのが一番手っ取り早いです。

値段も街の中心部からターミナルまでは1ドル程度と高くありません。

エレバン行きの直通バス
今回乗ったバス 約25人乗り
国境で一度バスから降りることになるので、写真を撮る等でどのバスに乗ってきたか記録しておきましょう。

5時間かかった国境越え

タブリーズから国境までは小休憩を2回、20分ほどの長い休憩を1回挟んだのち、深夜2:00頃に到着しました。

国境自体は至って普通の雰囲気で、バスから下車したのち、荷物を全部持ってイランの出国手続き→歩いて橋を渡る(徒歩10分)→アルメニアの入国手続き→手荷物検査と、特に変わったことはありませんでした。

しかし、アルメニアの入国手続きがかなり厳しく、パスポートの全ページと押されているスタンプを全部チェック×2回、顔写真のページをルーペで細かくチェックされました。

1人あたり長いと5〜10分くらいかけて入国審査を行なっていました。

イランとアルメニアの国境にかかる橋
イラン(手前)とアルメニア(奥)の国境 

さらに、ただの手荷物検査 (空港の保安検査と内容はほぼ一緒) の前でも深夜3時にも関わらずなぜか大行列になっており、ここでも30分近く待たされる羽目に

これで終わりではありません。車の検問所ではバス1台1台のチェックにそれぞれ1時間もかけてチェックしていました。

乗ってきたバスの前に2台いたので約3時間の足止めをくらい、バスが来た頃には夜が明けていました。

アルメニア側の車両検問所
車の検問所で待っていたら朝になってしまった

結局国境を越えるのにかかった時間は5時間以上でした。陸路で国境を越えた経験は軽く数十回ありますが、ここまで手続きの段取りが悪かったのは初めてでした。

「世界一厳しい国境」として名高いヨルダン〜イスラエル国境の10倍は酷かったです。

また、国境付近にイランリアルをアルメニアの通貨に変えられる両替所は見当たりませんでした。

深夜だからという可能性もありますが、タブリーズ〜エレバン、テヘラン〜エレバンの直通バスはおそらく全便国境を越えるのはそもそも深夜なので両替はできないという前提で事前に使い切るべきです。

アルメニア側の待合室
アルメニア側の待合室

イランリヤルは海外で両替できるところが殆どなく、出来たとしてもレートがかなり悪いので国境でアルメニアの通貨に変えたかったのですが出来ませんでした。

こんな感じで入国に時間がかかるだけでなく、細かい不親切も目立ちました。

(USDからアルメニアドラムの両替、カードでのキャッシングはアルメニア側の銀行窓口で出来るそうです)

ひたすら悪路のアルメニア

アルメニア国境からバスが出たのは午前7:30で、この時点で到着予定時刻まで残り1時間半でした笑。


ちなみにここからエレバンまで10時間半かかっています。

アルメニア側の道路状況は相当酷く、場所によってはいろは坂と変わらないレベルの急勾配&急カーブが連続してありました。

エレバンに向かうアルメニアの山道
ひたすら山道を走る

さらにいうと、途中で舗装されていない道路、工事中で片側車線になっている道路、対面通行ができなくなっている道路を何十回と通り、その度に減速や一時停止をする始末でした。

13:30頃に30分程度の食事休憩を行い、また悪路続きの道をゆったりと走り続けます。

幹線道路から見えるアララト山
聖書で有名なアララト山が見えたらあともう少しでエレバン

ノアの方舟伝説で有名なアララト山が視界に入り出したあたりで、ようやく峠道を抜け出し幹線道路に出ました。

エレバン中央駅

終点は「エレバン中央駅」のターミナルでした。


ここはメトロ&ローカルバス&長距離鉄道のハブになっているので利便性がすごく良いのですが…


そんなことはどうでも良いくらい疲れました。

バス停のあるエレバン中央駅
エレバン中央駅

結局タブリーズから国境まで7時間半、国境越えに5時間、国境からエレバンまで10時間半かかりました。

時間がかかるのだと分かっているのであればせめて最初から20数時間かかりますと書いて欲しいものです。

結論

時刻表上ではイランのタブリーズ〜アルメニアのエレバンまで14時間と書かれていますが、どう考えてもこの時間で辿り着くことは不可能でした

この大幅な遅延が一時的なものか日常的なものかはよく分かりませんでしたが、アルメニア側の道路状況を考えると、たとえ国境越えがスムーズに行っても20時間以上はかかると思います。

ちなみに、テヘランからエレバンまでの直通バスも存在しますが、こちらを使った人曰く34時間かかったとのことでした。

バス使用のメリット
  • 飛行機でイラン〜アルメニアに移動する場合と比べて1〜2万円以上安い
バス使用のデメリット
  • 移動に24時間近くかかる
  • 大幅に遅延するリスクが高い
  • 人気路線のため早めに予約する必要がある

最後に、イラン〜アルメニアを移動する際は飛行機orこのバスの2択になるのですが、バスを使用した際のメリットとデメリットを軽くまとめました。

バスを選択するメリットはとにかく安いからで、デメリットは時間がとにかくかかる&大幅に遅延するリスクが高いことです。

とは言っても私のようなバックパッカーは当然バス一択なのですが、利用する際はどれだけスムーズに行っても20時間以上はかかること、国境の混雑具合によってはさらに遅延することを念頭に利用しましょう!

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